具合に入り口扉

誓いの失言は深い爱に

2017年06月27日 12:10

そんな言い訳が、さらにその自分の行動への正当化として機能してゆく。
所詮わたしの悩みなどと言うものは、その後に続く自分を甘やかす行為」への単なる前座みたいなものなのかもしれない。
わたしの今世の目的は、結局はそんなレベルでいいってこと?
その後、ホンジョウはヒカルに対しこれといったクリアなリアクションをしたわけではなかったが、その時点においておそらく・・・彼女が無意識ながらも発したその欲望の種をその瞳の中に察知したにちがいなかった。ホンジョウさん、お久しぶり」
とマキがホンジョウに手を振る。
おお、ワカバヤシさん。
って、えっ?
あれ・・・、それにヒカル?さん・・・ですか?」
え、ええ。
ああ、あの・・・ホンジョウさんに言われて、最近何度かここに」
と言ったヒカルのリアクションは極めて歯切れが悪かった。
するとホンジョウはすかさずヒカルのとなりに座ると、
マスター、ペルノーね。
水割りで」
と言った。
今日はね、みんなでヒカルさんの過去を根掘り葉掘り訊いてたのよ。
ホンジョウさん、残念でした。
惜しい機会を逃しましたね~!」
とマキが余計なことを言っている。
ええ?ま、マジで?
き、聞き逃したの?俺?」
とホンジョウ。
後でゆっくり教えるよ」
とマスターが意地悪そうな笑顔でヒカルの顔色を伺う。
マスター、あの、お会計・・・、お願いします」
とヒカルはいきなり席を立ち、バックの中の財布をゴソゴソとあさり出す支付寶 香港