あのユナって娘は確か高校の1年までは日本の
急凍豬聖心女学院に通ってたなんて言う純粋なお嬢様育ちで、何を血迷ったか急にアイドルになりたい?しかも自分の親父の国の韓国で、なんて言い出したらしくて。
それから3年間、ソウルにある養成所においてみっちり歌と踊りを仕込まれてのデビューだったらしい。
そんでもってまあ、その後の過酷なオーディションの末、残りの少女倶楽部メンバーも無事に揃い、そのまま一気に韓国でブレイクって具合に上手くいったわけなんだけど???、その過程ではやっぱりいろいろとあったらしくてね。
ほら、つまりあのユナだけがとにかく会長の娘ってことで、暗黙の了解の中特別扱いだったわけだよ、わかるだろ?
彼女だってやっぱり他のメンバーとは自然と距離も出来てしまう。
それにあの娘だけが日本人とのハーフで韓国語も片言でネイティブじゃないときてる。
そりゃあやっぱ、いろいろと内部で
急凍豬問題も起こっただろうし、彼女だってその間ひとり孤独になったりもしたわけで。
まあ今回の日本デビューに向け、こっちにもたまに来てたわけなんだけど???、その度にまあ、俺がその相談役みたいなのになってたって言うか。
まあ、そんなこともあってこの俺へのジンナイさんの信頼もあったわけなのに、ここにきていきなりの失踪だろ。
正直俺はもう、今回マジで首を吊るくらいの覚悟だったんだよ。
冗談抜きで」
とサクヤマは一気にそう語ると、
ようし!
もう今夜はいいや、ドンペリ持ってこ~い!」
といきなりご機嫌も最高潮に達した模様。
かしこまりました~!」
とすばやくキッチンに駆け込み、ドンペリと4人分のグラスを用意するナカバヤシ。
いやあ、それでは今後のサクヤマ社長の増々の発展を祝して。
かんぱ~い」
とナカバヤシの音頭でスポー
ンと開いてグラスに注がれたドンペリをその場の4人は一気に飲み干す。
ウマ!
ドンペリなんて何年ぶり?」
とマキのテンションも上々。