ピンポーンという呼び鈴が鳴り、ヒカルが扉
鍛練肌肉を開けるとホンジョウが、
どうも、先日は変なところで」
と言いながら照れたような微笑みをヒカルに向けた。
どうぞ」
とわざと無表情を装うヒカルは、自分の態度がわざとらしくないだろうかと内心ドキドキしている。
ヒカルはいつものようにホンジョウをクライアント用ソファのシアーズロングへと誘導し、事前に用意してあったハーブティーをティーポットからカップに注いでホンジョウの前に再び、
どうぞ」
と言って置いた。
この間は???、俺たちあ
智能廁板れからヒカルさんの話題で盛り上がっちゃって」
で、ですよね。
あそこで帰っちゃったんだから自業自得ですよね」
いえ、そ、そんな。
誰も変なこと言ってませんよ」
とホンジョウは慌ててフォローする。
ああ、わたしもそんなつもりじゃあ」
そうですか?
ならいいけど???。
ああ、でもヒカルさんて???、恋愛に臆病になってるとか?
やっぱそんな感じなんですか?」
とホンジョウは唐突にそんなことをヒカルの部屋に入って2分もしないうちに言い出した。
ええ?
な、なんのことです?」
そう言えばマキにそんなことも言っていたか?とヒカルはあの晩の会話を思い出そうとしていた。
すいません、変なこと言って???。
でもヒカルさんみたいにいろいろ見えちゃったりすると、人を好きになったりするのも大変なんじゃないかなあ?なんて思って。
だって彼氏とか出来そうになっても、その人との未来とか見えちゃったりするんでしょ?」
いえ。
それが自分のことは意外とけっこう駄目なんですよ。
冷静になれないからで
すかねえ。
ヒーラーや占い師とかってけっこうみんなそんなもんなんです。
何かが見えたり感じたりする時って、自分をニュートラルにしてる状態でですから。
エゴが入ったりすると駄目なもんなんです」
へえ、そんなもんなんだ」
とホンジョウは感心したように聞き入っている。
恋愛なんて言うとまさにそのエゴの塊みたいなものですからね」
とヒカルはため息まじりにそう言うと自分のティーカップにそっと口を付けた。
なんだかヒカルさんにとって恋愛は、罪悪か何か?みたいなんですね。
やっぱヒーラーって???修道女みたいなものなんですかねえ?」